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生成AIが作った空欄補充の問題で練習して本番の力になるか|問題の質の研究

問題集の答えを覚えてしまい、机の上で生成AIに別の空欄補充問題を頼むと、見慣れない英文と選択肢が並びます。続けて正解できると練習が進んだ気がする一方、過去問に戻った途端に迷うことも考えられます。自分に合わせて作らせた問題は、本番で語句を選ぶ力につながるのでしょうか。生成AIの空欄補充は、正解が絞れる理由と誤答を退ける理由を確かめ、過去問と照らして補助練習に使うのがよい出発点です。

この記事の要点

生成AIが作った空欄補充の問題で練習して本番の力になるか|問題の質の研究

問題集の答えを覚えてしまい、机の上で生成AIに別の空欄補充問題を頼むと、見慣れない英文と選択肢が並びます。続けて正解できると練習が進んだ気がする一方、過去問に戻った途端に迷うことも考えられます。自分に合わせて作らせた問題は、本番で語句を選ぶ力につながるのでしょうか。生成AIの空欄補充は、正解が絞れる理由と誤答を退ける理由を確かめ、過去問と照らして補助練習に使うのがよい出発点です。

英検準一級の空欄補充を練習したいとき、問題がすぐ増える便利さは魅力です。ただし、練習用の英文には、答えの語が入るだけでなく、ほかの選択肢が入らないだけの手掛かりも必要です。解答欄に丸が増えるまでの過程には、問題を作ること、解答を確かめること、実力を測ることが含まれます。これらをまとめてAIに任せる前に、問題そのものを点検する視点を持ちましょう。正解だと表示された語だけでなく、選ばなかった語の説明にも目を向けると、何を確認すべきかが見えてきます。

要点

解いて覚える効果と、問題を作る質を分ける

「たくさん解けば身につく」という考えには、学習研究の支えがあります。Yangら(2021)は、222件の独立した研究から得た48,478人のデータをまとめ、小テストを行う学習が比較条件より成績を高める中程度の効果を報告しました。効果量(差の大きさを、成績のばらつきを物差しにして表した数)は g = 0.499 でした。この結果は、小テストを含む学び方と各研究の比較条件との差を表しています。

同じYangら(2021)の分析では、比較相手の学習方法、テスト形式の一致、教材の対応、誤りを直す説明の有無などで効果の大きさが変わりました。空欄補充に置き換えて考えると、何を問う問題か、どう答え合わせをするかが点検の軸になります。知らない語を選ばせる問題と、知っている語の使い分けを問う問題では、必要な判断が違います。問題を増やす前に、今練習したい判断を言葉にすることが大切です。

たとえば、選択肢のうち見覚えのある語を選ぶだけで正解できるなら、文全体を読まずに進めてしまいます。反対に、どの語も文脈に合う問題なら、答えを考え続けても決め手がありません。こうした問題を正答数だけで評価すると、自分が覚えた語と、問題の作りに助けられて選べた語が混ざります。練習記録には正誤に加え、「文中のどの表現を手掛かりにしたか」を短く残すと、判断の中身を見直しやすくなります。

専門家が見て人並みでも、解いてみる評価が要る

Riehmら(2026)は、医療系教育で使う選択式問題について、生成AIと人間の作問を比較した研究をまとめました。ChatGPT 4が作った問題は、問う内容の適切さ、問いの明確さ、誤答肢の質で、人の問題と似た評価でした。誤答肢とは、選択肢のうち正解ではない候補のことです。同じ集計でもLlama 2は問いの明確さや誤答肢の質で人の問題を下回り、研究側はこれらの比較を支える証拠の確実性を非常に低いと評価しています。

問題の出来を判断するには、評価者が読んだ印象に加え、学習者が実際にどう解くかを見る方法があります。Kıyakら(2026)は24か国の71研究を調べ、多くが学習者に解かせる試験より専門家の評価に頼っていたと報告しました。誤り率は研究によって <1% から45%まで幅がありました。この幅を読む際には、どの領域の問題を、どんな基準で誤りと判断した研究なのかに目を向けます。

見るところ 研究で報告されたこと 比べた相手・対象 家庭での点検へのつなぎ方
問いと選択肢の質 人の作問と似た評価もある Riehmら(2026)、医療系教育の人間作成問題 見た目に加え、正解を選ぶ理由を読む
解きやすさ AIの問題が易しい傾向 Lawら(2025)、香港の医学試験の人間作成問題 過去問で必要な判断と照らす
実力を区別する力 人の問題のほうが高かった Laupichlerら(2024)、医学教育の人間作成問題 正答数に加え、迷った候補を残す

表の観点を使うと、「読みやすいから良問」とだけ判断せずに済みます。問題文が自然でも、解答を決める条件が足りないことがあります。採用する前に、答えを隠した状態でも問われている違いを説明できるか見ておきましょう。

易しく解けることと、本番への準備は同じではない

Lawら(2025)は、香港の救急医学の一次試験を受けた24人を対象に、AI作成と人間作成の選択式問題を比べました。AI作成問題は人の問題より易しく、基本的な知識を問う傾向がありました。専門家の点検では、難易度が適切でない問題はAI側で14%、人間側で1%、事実の誤りはそれぞれ6%と4%でした。内容の関連性に欠ける問題もAI側で多く報告されています。

一方、Laupichlerら(2024)の医学教育の研究では、ChatGPT 3.5と人の問題の難易度に統計的な差はありませんでした。違いが出たのは識別力、つまり理解の高い人と低い人の成績を区別する力で、人の問題のほうが高い結果でした。易しさだけが作問の質を決めるわけではないことが読み取れます。練習する側にとっても、正解できたかと、その正解がどんな理解を表すかを分けて見る意味があります。

英語では、誤答の選択肢だけ品詞が違ったり、文の話題とほとんど関係がなかったりすると、語の細かな使い方を知らなくても消去できます。それ自体を易しい導入練習として使うことはできますが、本人が練習したかった内容と照らす必要があります。類義語の使い分けを練習したかったのに、名詞と動詞を見分けて終わったなら、ねらいがずれています。正解が続いた日は、「文脈を読んで選んだか、形だけで候補を消したか」を振り返りましょう。

難しい単語を並べるよう頼むだけでも、このずれは解消しません。語の見た目が難しくなっても、ほかの候補が文に全く合わなければ、選ぶ判断は易しいままです。逆に、十分な文脈を与えず似た意味の語を並べると、区別の練習ではなく作問の曖昧さに悩む時間になります。過去問との比較では語の難しさだけでなく、答えの決め手となる条件が文中にどう置かれているかを見ます。

正解と誤答を、同じ厳しさで点検する

Grévisseら(2024)は、情報科学と医学の選択式問題を作問の指針と照合し、生成AIが曖昧な正解や不自然な誤答肢を作ることがあると報告しました。また、学ぶ内容と問題の対応を保つため、人が確認する必要性を示しています。空欄補充でも点検したいのは、答えの語が入ることと、ほかの語を外せることの両方です。解説に「文脈に最も合う」と書いてあるだけなら、その文脈を具体的に探します。

短い作例で考えると、状況が見えやすくなります。「She looked ( ) when she heard the news.」という文に、happyとsadを候補として置いたとします。知らせの中身がなく、表情などの手掛かりもなければ、どちらを選ぶ根拠も作れます。ここでAIが一方だけを正解にしても、その指定を覚える練習にはせず、問題の条件が足りないものとして扱います。

点検では、まず空欄に候補を戻した英文を読み、文法と意味を別々に見ます。文法の点では、必要な品詞、後ろに続く形、前置詞との組み合わせを辞書で確認します。意味の点では、その語義が場面に合うか、よく一緒に使われる語の組み合わせに合うかを調べます。正解の語だけを検索して終えず、最後まで迷った候補にも同じ作業をすると、除外理由を点検できます。

解説が、問題文にない事情を足して候補を退けていないかも見ましょう。「その人は悲しんでいたはずだから」と、英文にない心情を持ち込む説明では、問題の手掛かりになりません。辞書を引いても候補が残る場合は、無理に不正解として覚えず、問題を練習用から外して先生に見てもらいます。曖昧さを残したまま解答だけ暗記すると、別の文章でも使える語を誤って避けるおそれがあります。

作らせる前に、形式と練習のねらいを決める

生成AIに頼む前に、手元の過去問で、空欄を埋めるためにどこまで読む必要があるかを観察します。近くの語の組み合わせが決め手なのか、文全体の意味なのか、前後の流れなのかを言葉にします。さらに、今復習したい語や用法を、自分の誤答記録から選びます。「本番そっくり」といった広い頼み方より、練習したい判断を具体的に示すほうが、出てきた問題を点検する基準もはっきりします。

指示文の例は、「復習中の語を使い、文脈から正解が定まる空欄補充を作ってください。解答と各候補を除く理由は、問題の後に分けてください」です。過去問の本文を写して渡す必要はなく、求める読み方や選択肢の特徴を自分で記します。この指示は問題と解説を点検しやすくするためのものです。出てきた問題は、前の節で挙げた文法、語義、文脈の順で確かめてから使います。

解くときは解答を隠し、選んだ語と決め手を記録します。答え合わせでは、AIの説明と自分の決め手が同じか、たまたま一致しただけかを読み比べます。誤答だった語を調べる際も、和訳の違いだけで済ませず、英文のどの条件で外れるかを確認します。誤答肢の説明まで読める問題を残し、曖昧な問題は修正待ちとして学習記録から分けておきましょう。

Benczikら(2025)は、物理の大会参加者について、専門家が検証したAI作成の選択式問題で練習した群と、人が作った教材だけを使った群を比較しました。AI問題で練習した側に中程度の成績向上が見られ、特に成績が低かった学習者で目立ったと報告しています。この研究での問題には、専門家による検証の工程がありました。家庭で取り入れる際も、その工程に目を向け、作られた問題を吟味して採用する流れを組み込みます。

自分の力を測る日は、別の問題に戻る

AI作成の問題を学習に加えたら、練習に使っていない過去問で、自分がどんな根拠を拾えるかを見ます。生成時に渡した語がそのまま出る問題では、何を選ばせたいかを先に知っている状態になります。そこで正解した記録と、初めて読む問題の記録は分けて扱いましょう。比べる中心は丸の数だけでなく、文の意味と候補の用法を結びつけて説明できるかです。

間違いの記録も、本人の知識と作問側の問題を分けると役立ちます。「語義を知らなかった」「組み合わせを取り違えた」「逆接の流れを見落とした」は、自分が復習する内容です。「別の候補も成り立つ」「解説が本文にない条件を足した」は、採用した問題を見直す理由になります。後者まで本人の弱点に数えると、必要な復習が見えにくくなります。

保護者が見るところは、作った問題の量より、答え合わせの後にどこへ戻ったかです。辞書の該当する語義を示せるか、文の決め手に線が引かれているか、迷った候補の説明が残っているかを一緒に見ます。英語の細部をその場で判定する役まで引き受ける必要はなく、説明が途切れた箇所を先生への質問にできます。「なぜ間違えたの」と責めるより、「どの候補が最後まで残ったか」を聞くと、照合する対象を絞れます。

試験前など、問題の点検に時間をかけられない日は、解説の整った教材を優先します。自力で誤りを見抜きにくい範囲も、AIに問題を増やさせるより、習った内容を確かめるところから始めます。次に生成した空欄補充の正解理由を、何と比べますか。

よくある質問

正解が続いたら、難しい問題を追加すればよいですか

まず、何を手掛かりに正解したかを見てから調整します。候補の形だけで選べたのか、文脈と語の使い方を照合したのかでは、練習した内容が違います。難しい語を増やす前に未見の過去問を解き、そこで迷った判断を次のねらいにすると、作問への指示が具体的になります。AI問題と過去問の正誤は別に記録し、どちらでも自分の説明が解説につながるかを見ましょう。

AIに自分の問題を再点検させれば十分ですか

再点検は、疑わしい箇所を探す作業の入口にできます。ただし、問題と解説を同じAIに任せたまま、訂正後の答えをそのまま採用するのは避けます。最後まで残った候補について辞書の語義や用法を引き、除外する理由が問題文にあるかを自分で照合しましょう。説明が揺れたり、候補が残ったりした問題は、採用を止めて先生に尋ねる対象にします。

本番と同じ力がつくと考えてよいですか

英検型の英語の空欄補充を生成AIに作らせ、中高生が練習して本番の点が上がるかを直接測った査読研究は、ここで扱う範囲では見つかっていません。医学などの作問研究から点検の観点を借りる位置づけです。学習の中心には出題と解説を確認できる教材を置き、AI問題は自分の弱点を補う用途に絞りましょう。到達度は、練習に使っていない問題を自力で解いた記録で確かめます。

この記事の限界

問題の質を支える研究は海外の医学教育や情報科学が中心で、香港の医学試験受験者や大学段階の学習者が含まれます。日本の中高生の英語学習や、日本語で受け取る解説の質については研究が乏しく、長期間の学習による本番成績の変化も未検証です。ChatGPT 3.5やChatGPT 4など、研究時のモデルの結果を現在のモデルに移せるかも調べる必要があります。研究間では評価の期間や問題の領域がそろわず、目視評価と受験者の解答分析が混在しています。ここで示した辞書照合の手順は、それらを踏まえた実用上の提案です。学校へ提出する問題作成課題では、生成AIを使える範囲や申告方法が学校ごとに異なるため、課題の指示に沿って扱います。

参考文献

  1. Yang C, et al. Testing (quizzing) boosts classroom learning: A systematic and meta-analytic review. Psychological Bulletin. 2021;147(4):399-435.
  2. Riehm L, et al. The use of large language models in generating multiple choice questions for health professions education: A systematic review and network meta-analysis. PLOS One. 2026;21(1):e0340277.
  3. Benczik IJ, et al. AI-aided formative assessment in physics education. Educational Media International. 2025;62(4):450-458.
  4. Law AKK, et al. AI versus human-generated multiple-choice questions for medical education: a cohort study in a high-stakes examination. BMC Medical Education. 2025;25(1):208.
  5. Grévisse C, et al. Docimological Quality Analysis of LLM-Generated Multiple Choice Questions in Computer Science and Medicine. SN Computer Science. 2024;5(5):636.
  6. Kıyak YS, et al. Validity of AI-generated multiple-choice questions in medical education: a systematic review. Postgraduate Medical Journal. 2026.
  7. Laupichler MC, et al. Large Language Models in Medical Education: Comparing ChatGPT- to Human-Generated Exam Questions. Academic Medicine. 2024;99(5):508-512.

AIの答えを写す前に、自分の言葉で言い直してみる机がある

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よくある質問

正解が続いたら、難しい問題を追加すればよいですか

まず、何を手掛かりに正解したかを見てから調整します。候補の形だけで選べたのか、文脈と語の使い方を照合したのかでは、練習した内容が違います。難しい語を増やす前に未見の過去問を解き、そこで迷った判断を次のねらいにすると、作問への指示が具体的になります。AI問題と過去問の正誤は別に記録し、どちらでも自分の説明が解説につながるかを見ましょう。

AIに自分の問題を再点検させれば十分ですか

再点検は、疑わしい箇所を探す作業の入口にできます。ただし、問題と解説を同じAIに任せたまま、訂正後の答えをそのまま採用するのは避けます。最後まで残った候補について辞書の語義や用法を引き、除外する理由が問題文にあるかを自分で照合しましょう。説明が揺れたり、候補が残ったりした問題は、採用を止めて先生に尋ねる対象にします。

本番と同じ力がつくと考えてよいですか

英検型の英語の空欄補充を生成AIに作らせ、中高生が練習して本番の点が上がるかを直接測った査読研究は、ここで扱う範囲では見つかっていません。医学などの作問研究から点検の観点を借りる位置づけです。学習の中心には出題と解説を確認できる教材を置き、AI問題は自分の弱点を補う用途に絞りましょう。到達度は、練習に使っていない問題を自力で解いた記録で確かめます。