生成AIの使いどころ
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文章にどう使うか——丸ごと書かせない

構造を先に自分で作り、書かせる前に検討させる。実務で使っている6つの聞き方と、やってはいけない使い方を整理しました。

生成AIがいちばん日常的に効くのは文章の作業です。ただし、「書かせる」と「一緒に作る」では結果がまったく違います。

丸ごと書かせると、何が起きるか

指示だけ与えて全文を出力させると、次のようになりがちです。

読み手が慣れてくると、この種の文章は見分けられるようになります。整いすぎていて、引っかかりがないという共通の質感が出るためです。

効く手順:構造を先に自分で作る

  1. 何を言いたいかを一文で書く——ここは自分でやる。ここがないと全部が空洞になります。
  2. 見出しだけ並べる——構造を自分で決める。
  3. 各見出しに入れる要素をメモする——具体例、数字、経験。
  4. ここでAIに渡す——「この構造で書いて」ではなく「この構造の弱点は」から始める。
  5. 本文を書く——AIに書かせてもよいが、具体は自分で入れる。
  6. 整える段階でAIを使う——重複、冗長、語調の揺れ。

4番目が要点です。書かせる前に、検討させる。構造の穴を先に指摘してもらうと、書いた後の直しが減ります。

いちばん使える聞き方

実務で繰り返し使っている問いかけを挙げます。

聞き方得られるもの
この主張の最も強い反論は自分では思いつかない角度。小論文の再反論に直結
この文章の弱点を3つ構造の穴。褒めさせるより有益
読者がここで疑問に思うのはどこか説明が足りていない箇所
この段落は要らないのでは、と思う箇所は冗長の指摘
ここで前提にしていることは何か言語化していない前提の発見
同じことを半分の長さでどこが本質かの確認

「よく書けていますか」と聞くと、たいてい肯定的な答えが返ります。否定を求める形で聞くほうが実用的です。

文体を保つ

AIの出力は、放っておくと似た文体に寄ります。特徴として出やすいのは次のようなものです。

対処としては、自分の過去の文章を渡して「この文体で」と指定する方法があります。ただし、これも完全ではありません。最終的には自分で読んで直すことになります。

推敲だけに使う

すべて自分で書いたうえで、推敲だけAIに任せるという使い方も有効です。

この用途は確認が容易です。指摘された箇所を自分で読めば、直すべきかどうか判断できます。効く条件を満たしています。

翻訳と多言語

翻訳の精度は実用水準に達している場面が多くありますが、注意点があります。

  1. 専門用語は確認する——分野固有の訳語がずれることがあります。
  2. 公開する文書は、その言語が読める人に確認してもらう——ニュアンスの判断は自動化しきれません。
  3. 逆翻訳で確かめる——訳文を元の言語に戻して、意味が保たれているか見る。

やってはいけない使い方

2番目は特に注意が要ります。実際に利用していない人の体験談として書かれたものは、広告として問題になります。作成の手段がAIかどうかに関わらず、この線は変わりません。